ことの発端はレシピのネタを考えていたことから始まる。「既存の固定観念の破壊からしか新しい創作は生まれない」をモットーにしている私は大好きな鶏もも肉と、よくおやつ作りで使うホットケーキミックスを想像したときに「ホットケーキミックスでアメリカンドッグを作ったことあったな…つまり揚げパンみたいなことが出来るわけだ。じゃあそれを鶏もも肉でやったら超肉厚のチキン一枚肉パンみたいなのが出来るのでは!?」…という閃きに至ったわけだ。だが、ブログタイトルはケンタッキーフライドチキン。そう、当初の閃きの結果は想像だにしない方向で結論を迎えることになったのである。
【材料】1人分
- 鶏もも肉 1枚
- 調理酒 大さじ2
- 粗挽き胡椒 少々
- ホットケーキミックス 100g
- マヨネーズ 大さじ1
- 豆乳(牛乳でも可) 40ml
- サラダ油 900ml(揚げ物用)
【作り方】
- 蒸し鶏を作る
まずボウルに鶏もも肉を移し、竹串やフォークで肉の両面にたくさん穴を空ける。そして調理酒と粗挽き胡椒を掛けて上からラップをして700w5分レンチンする。 - アメリカンドッグの生地を作る
一旦、ボウルから蒸し鶏を取り出しておく。ボウルに残った煮汁は旨味の塊なので捨てずにそこに豆乳、マヨネーズ、そしてホットケーキミックスを入れてゴムベラで混ぜる。粉っぽさがなくなったら蒸し鶏を入れて全体にまんべんなく生地をまとわせよう。 - 蒸し鶏を揚げて盛り付ける
天ぷら鍋にサラダ油を注いで中火で熱して温める。揚げ始めの温度の目安は箸に付けた生地を油に突っ込んだときにすぐにあぶくが出始める頃だ。再度蒸し鶏に生地をまとわせ直してゆっくりと油に鎮めよう。物が大きいので大量のアブクが発生するが落ち着いて見届けよう。そして片面2分ずつ揚げてからさらに片面1分ずつ揚げて衣が濃いきつね色以上になったら取り出して盛り付けて完成だ。
・実食
衣は薄いがしっかりとくっついており、表面はカリカリとしている。包丁で切ってみるとしっかりと蒸し鶏が顔をのぞかせてくれた。鶏もも肉1枚を生から揚げるとその揚げ時間の長さで衣が焦げきってしまうから先に蒸し鶏にしておくのは大正解だ。そして切り分けたひとつを食べてみる。
―――― カ、カーネル・サン◯ース!? ――――
思わずあのふくよかでにこやかに微笑むあのオジサンの姿がフラッシュバックした。いや、厳密にはケンタッキーフライドチキンだ。私が超肉厚チキンパンという発明品として作ったつもりのコイツは、なぜか喉奥を過ぎる頃にケンタッキーフライドチキンっぽさを感じさせてくるのだ。超ジューシーで柔らかな肉、それでいて外の衣がパリッとしているのも似ている。鶏の煮汁とマヨネーズと粗挽き胡椒のブレンドによってできるホットケーキミックスの生地がそこはかとなくケンタッキーフライドチキン「っぽさ」を醸し出してくるのだ。こういうのをケガの功名…というのだろうか。
・まとめ
味 :★★★★★
手軽さ :★★★☆☆
見栄えの良さ:★★★★☆
完全再現とは言えないが、食べてみれば確実にケンタッキーを想像してしまう。そんな味わいのレシピが出来上がってしまった。ちなみにこの分量だと多少生地が余ってしまうので、ウインナーを用意して串にさして揚げて普通のアメリカンドッグを作ってもいいかもしれない。