素麺(そうめん)はうまい。夏になれば誰もが一度は食べるメジャーな麺料理だ。ただし必ずと言っていいほどそうめんは「食べ飽きた」という言葉がくっついてくる宿命を背負っている。彼は悪くないのに…食べ飽きる人間が悪いのに(笑)
今回はそんな不遇の星の下に生まれたそうめんを救うべく、ちょっと奇抜な使い道を模索してみたぞ。それはズバリ「焼売の皮代わりにする」ことだ。
・んなアホなと思う人へ
確かに一見すると焼売の皮とそうめんは姿形がまるで違う。だが、どちらも主原料が小麦粉・塩・水なのだ。製造過程がやや異なるだけで材料が同じなのだから、使い方次第ではどうにでも代用が効くというわけだ。「創造は固定概念の破壊からしか生まれない」がモットーの私にとってこれは挑戦しがいのある料理になりそうだ。
【材料】6個分
- 玉ねぎ 1/2個
- 冷凍コーン 20g
- 豚ひき肉 100g
- 調理酒 小さじ2
- 醤油 大さじ1
- 顆粒鶏だし 小さじ1
- おろしショウガチューブ 約3cm
- 片栗粉 大さじ1
- そうめん(乾麺) 1束
- 水(蒸し用) 分量外
【作り方】
- 野菜を切ってレンチンする
まず玉ねぎをみじん切りにする。ボウルに冷凍コーンと一緒にみじん切りにした玉ねぎを入れてラップをして700W20秒レンチンする。 - 肉だねを作る
レンチンが終わったら豚ひき肉、調理酒、醤油、顆粒鶏だし、おろしショウガ、片栗粉を加えてゴムベラで練り混ぜる。もし水気が多すぎているようなら片栗粉か薄力粉を少々加えてみよう。ひき肉がまとまってペースト状になったら6等分に切込みを入れておこう。 - そうめんを衣にする
ビニール袋にそうめん(乾麺)を入れて握りつぶすようにして細かく砕く。薄手のビニールだと割れたそうめんが袋を突き破って穴を空けてしまうことがあるので、二重にするなりジップロックを使うなりすると良いぞ。割り終わったらバッターか深皿にそうめんを敷き詰めよう。 - 肉団子にそうめんをくっつける
6等分にした肉だねを捏ねて団子にして、砕いたそうめんの上に置いてさらにそうめんを被せてぎゅっと圧縮する要領で肉団子にそうめんの衣をくっつける。ちょっと手が痛くなるのが難点だが、転がすだけでは吸着が弱いのでぎゅっぎゅっとしよう。 - 蓋をして蒸す
耐熱皿に焼売になった肉団子を等間隔で並べてフライパンの中に置く。そして皿に水が入らない量だけフライパンに水を注ぐ。そして肉団子たちには霧吹きで3~4プッシュほど水を掛けておいてから中火に点火してフライパンの蓋をして蒸す。蒸し時間は最低でも沸騰してから10分は行うこと。蒸し終わったら別皿に盛り付けて完成だ。
・実食
まず見た目に圧倒される。なんというかそうめんを使ったとは思えない。どちらかというと短く切ったえのきを衣にしたような見た目だ。早速1つ食べてみる。しっかり水蒸気を吸ってそうめんがしんなりしているので口に刺さるなんて事故はなかった(笑)ムニっとした食感ながら通常の焼売の皮では味わえないザラザラ・モソモソした口触りは面白い。(良いオノマトペが思い浮かばないが悪い意味ではない)肝心の肉部分だが大型にも関わらずしっかり熱が通っていて肉のジューシーさや散りばめられた玉ねぎやコーンの甘味がほどよい主張でうまく調和している。醤油とからしで食べたり、酢と粗挽き胡椒で食べたりしたがそのへんは普通の焼売と同じように美味しかったぞ。
味 :★★★★☆
手軽さ :★★★☆☆
見栄えの良さ:★★★★☆
総合的に見れば非常にオススメとはまではいかないが、そうめんを余らせてしまっている人には一度作ってみてはと提案する程度には美味かった。なによりこんな衣の焼売は見たことない人がほとんどだろう。食卓で出せば大盛りあがりなこと間違いなしだ。そうめんの新たな活用法としては十分な開拓だったと思う。これからもそうめんの悲しき宿命を払拭していきたいと思うぞ。