ケバブと言えばトルコ料理の一種で、日本だと移動販売車で時折売っているのを見かけることがあるくらいにはすっかり定着してきている。その関係からか、日本人はケバブというと「野菜と肉を薄皮パンで挟んだサンドイッチのようなもの」という認識になりやすいが実際のところ、ケバブはグリル肉という意味で寧ろこの言葉が指すのはケバブ屋でしかみかけないあの丸太のように太く積み重なってクルクル回りながら焼かれている肉の方なのだ。ちなみにあの調理方法もしっかりとした由来があって、もともとは遊牧民族や兵士が剣に肉を突き刺した状態で焼いて食べていたのを模倣しているらしい。
まあ今回はサンドイッチ状のほうのケバブ(誤用)を自作してみようと思う。ちなみに私たちが想像するケバブに使うナンのような形状のパンはピタパンというらしい。この料理も材料さえ揃えば手順を守るだけで誰でも作れるのでぜひ最後まで読んでいってほしい。
【材料】ミニケバブ 8個分
《ピタパン》
- ドライイースト 3g
- 塩 2g
- 砂糖 2g
- 強力粉 125g
- ぬるま湯 80ml
- サラダ油 小さじ2
《ケバブ》
《特製ソース》
- マヨネーズ 大さじ1
- ケチャップ 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- おろしニンニクチューブ 約2cm
【作り方】
- ピタパンづくり(一次発酵まで)
まずボウルにドライイースト、塩、砂糖、強力粉をしっかりと分量を計って入れる。その後ホイッパーか箸でかき混ぜてからぬるま湯を数回に分けて入れて粉っ気がなくなるまで混ぜる。 粉っ気がなくなったらゴムヘラに切り替えてサラダ油を加えて3~4分捏ねて生地をまとめて丸めていく。丸めたらラップをして温かい室温の空間で30~40分放置して一次発酵を促す。もし難しい場合は小皿に少量の水を入れたものをレンジに入れて700W30秒でレンチンしてから小皿を取り出し、その空間内に生地の入ったボウルをしまうことで湿度と温度を保った状態で発酵を促すことが出来るぞ。 - ピタパンづくり(成形~焼きまで)
一次発酵が終わったらキレイで平たい場所に強力粉で打ち粉(分量外)をして生地を置き、生地の上にも打ち粉をする。そして軽く潰してガス抜きをしつつ直径15~20cm程度の円形に広げる。包丁で十字に切って4等分してそれぞれを一旦小さく丸める。その後再度打ち粉をして麺棒で楕円状に伸ばす。 成形できたらフライパンに小さじ1程度のサラダ油(分量外)を引いてキッチンペーパーなどで薄く全体に広げ、中火にして生地を2枚ずつかさならないように並べる。1~2分で生地がところどころ膨らみ始めたらひっくり返す。ひっくり返したあとに生地の両端を箸で軽く押し込むことでより一層膨らむようになる。そして1分ほどで両面に焼き目が付いたら取り出しておく。完成したピタパンは少し粗熱を取ってから2つに切り分けて中を広げて袋状にしておくこと。
- ケバブ(グリル肉)を作る
フライパンに豚こま肉、塩、粗挽き胡椒を入れてサラダ油を豚こま肉に回しかけてから中火に掛けて全体に火を通していく。赤身の部分がなくなった頃に調理酒、ケバブソース、一味唐辛子を加えて絡めていく。頃合いになったら火を止めておくこと。 - 特製ソース作り
最後はケバブの上に掛ける特製ソースを作る。小皿にマヨネーズ、ケチャップ、砂糖、おろしニンニクを入れてよく混ぜておくだけ。 - ピタパンに野菜と肉を詰め込んで完成
最後は千切りキャベツをピタパンの中に詰めてその上にケバブ(グリル肉の方)を乗せたら完成だ。そのまま食べるもよし、特製ソースを掛けて味変を楽しむのもアリだ。
・実食
見た目は小ぶりながら完全にケバブだ。女性の片手で持ってちょうどいいサイズ感なのも可愛くていい。さっそく食べてみる。本場は羊肉か牛肉がメインだが豚肉も全く引けを取らないジューシーさだ。それと使用したケバブソースがいいのだろう、バッチリ濃い味でスパイシーさがめちゃくちゃ食欲を刺激するのだ。味変で掛けた特製ソースはもともとのピリリと辛めな味付けをまろやかにしつつ甘みと辛みが上手く共存する形で肉・キャベツ・ピタパンのいずれとも相性が良くて最高だった。思わずビールを2缶も開けてしまうほどの中毒性に食後の反省会をせざるを得ないほどだったぞ(苦笑)
・まとめ
味 :★★★★★
手軽さ :★★☆☆☆
見栄えの良さ:★★★★★
今回はタイトルで宣言していたように手軽さは一切ない。それどころかピタパンづくりのために発酵を待ったり成形のために色々な調理器具を使ったりするので「今日仕事から帰ったらケバブでも作ろうかな?」みたいなことは無理だろう。作るなら確実に休日の昼か夜をオススメする。ただし作る大変さに見合うだけ…いやそれ以上の満足度は確実なのでぜひ一度作ってみてほしい。