唐突だが自分語りをさせてほしい。私はとある一件から辛党と名乗ることを止めて辛いもの好きと名乗るようになった。それがこの蒙古タンメン中本で長年人気を博している北極ラーメンとの出会いだった。
・崩れた自信
当時学生だった私は自分の辛いものへの耐性に自信があった。初来店CoCo壱で10辛に挑戦して汗ひとつかかずに完食できたし、毎年の冬には辛辛魚を箱買いして食べるほどだし誕プレにはデスソースを渡されるほどだった。そんな私の耳に当然蒙古タンメン中本の北極ラーメンが辛いという情報は入ってくる。ぜひ食べてみたいと思って挑戦しに行った。結果は惨敗・・・というわけではなく実はきっちり完飲できたのだ。(もちろんめちゃくちゃ水は飲んだが)
それゆえ「中本の北極も食べられる辛さだったな~。」などと鼻を高くしていた私だが、数年経って再び店で食べに行ったときに身体の衰え?なのか「全部飲むのは止めて!」と身体と脳が訴えて来るのを感じた。それだけでも辛党としての自負が揺らいでいたのに、そこに男子高校生2人組が来店して「北極の辛さ2倍で!」とハツラツに注文したのだ。それを目の当たりにして私の自信は完全に砕け散ったのだった。「私は辛党としてもう限界を迎えてしまった…あとは若い世代に譲ろう。」そう思ったのである。
・そんな事があって
そういう経緯があって以来、私は辛党と決して名乗ることはなくなったし、蒙古タンメン中本に行く機会も激減した。行ったとしても北極ラーメンを食べることにどうしても踏み切れずに他のラーメンを注文してしまっていた。それでも北極ラーメンを嫌いになったわけではない。寧ろ食べたい気持ちはずっと燻ったままだったのだ。そんな私がついに出した結論、「自宅で作って食べよう」である。
【材料】1人分
- ニンニク 3片
- 豚こま肉 80g
- もやし 2/3袋
- 中華麺 1玉
- 水(茹でる用) 1000ml
- サラダ油 大さじ1
- 調理酒 大さじ1
- ラーメン用味噌 1パック
- 豆板醤 大さじ2
- ハバネロ粉末 15g(1本)
- 顆粒鶏だし 小さじ1
- お湯 250ml
【作り方】
- 具材を用意する
まずニンニクの皮を向いて薄切りにする。豚こま肉は一口サイズになるように適当に切り分けておく。 - 麺を茹でる
もやしを避けたら今度は中華麺を入れてほぐしながら茹でる。スープ作りを並行して行えるほど広いキッチンなら規定時間通りでいいが、そうでないなら規定時間より1分ほど早く引き揚げておこう。 - 具材を炒める
フライパンを一度洗って、サラダ油を引いてにんにくスライスを入れて中火でにんにくの香りが出るまで炒める。香りが出てきたタイミングで豚こま肉を投入。
そして今回の北極ラーメンらしさたらしめる存在である唐辛子…いや、リベンジを兼ねて本家に近づくためにもハバネロ粉末を用意して1本丸ごと(15g)をぶち込む!ちなみにこのハバネロ入り激辛スパイスは業務スーパーで購入したものだ。 - スープ作り
ハバネロ粉末を絡ませたところで顆粒鶏だしを追加してから沸かしておいたお湯を注いでスープを作る。そしてひと煮立ちしたら麺を加えて絡ませる。
麺にも辛味を絡ませたら、先に麺をどんぶりに入れてからスープを上から掛ける。最後に茹でておいたもやしを山になるように盛ったら完成だ。
・実食
当ブログには珍しく完成に時間がかかってしまった。しかし、その苦労が報われたと言えるほどのそっくりさだ。まずはスープを確認してみる。レンゲの中でハバネロ粉末がこれでもかと存在を主張しているのが分かる。口に含んでみた数瞬後に理解する。この辛さ、この辛さだよ!!
熱い、口の中の温度が5度くらい上がった感覚。麺を啜って飲み込むときにどれだけ慎重になろうともむせてしまう辛さ。そしてむせることで喉、肺までもがこの辛さの洗礼を受けることになる。美味い。美味いけど地獄のように辛い。けど、辛いもの好きのわたしが辛党を名乗っていた時のあの高揚感を思い出せた気がした。
味 :★★★★★
手軽さ :★★☆☆☆
見栄えの良さ:★★★★★
今回は再現度を高めるために手軽さを捨てているのでその点の評価はどうしても低くなるが味と見栄えの良さは自信を持って「北極ラーメン」と言っても良い。なんなら個人的にはセブンイレブンで売られている北極ラーメンよりも推したいほどだ。私の長年燻っていた北極ラーメンへの気持ちがしっかり消化・昇華された。翌日、トイレで地獄を見ることになるのはわかっているがそれでも止められない。私はやっぱり辛いものが好きなのだと実感した一日だった。